秋になるとオレンジ色の花を咲かせる金木犀。小学校の頃、通学路に金木犀の木があり、その香りが強く印象に残っている。大人になった今でも、金木犀の香りは小学生の頃を思いださせる。

発達障害の私は(当時は診断を受けていなかった)、勉強が覚えられない不安があった。少し前に聞いたことを忘れてしまうという不安の連続。

それを言葉に表現できず、一人で抱え込んでいた苦しみ。毎日のように課題をやらなくてはいけないという苦しかった思い出。給食の時間に班になったクラスメイトが面白いことを言ったこと。

不安で辛かった日も、不安から解消されて気持ちが軽くなった日も、金木犀の香りを嗅いできた。悪い時だけでなく、良い時もそばにあった香り。感情が中和され、その香りは安心感を与えてくれる。

たとえ不安になっても、その香りは、その不安はいつか解消されると暗示をかけてくれる。金木犀の香りは、私にとって精神が安定する天然のくすり。