[2024/2/23]

生まれて初めての精神科。扉を開けると、そこにはT先生がいた。
40代後半…くらいかな。ファンキーな茶髪、ふくよかな体、そして満面の笑み。机の上にはペットボトルのコカコーラ350ミリリットル。
感銘を受けましたよ。うん。それはそれは感銘を受けた。精神科って、こんなにカジュアルなトコなんだ!って。
ま、後にも先にも、コーラ飲みながら診察する先生なんていなかったけど(笑)

僕が診察室に入ると、椅子にふんぞり返って座ってたT先生はくるりとこっちを向いて、「やあ!よく来たね!今日はどうした?」って言った。
コカコーラ350ミリリットルに衝撃を受けながらも、僕は必死に自分の症状を話した。藁にもすがる思いだからね。そりゃあ必死だよ。
病気になるのが怖いこと。そのせいで病院を何軒も回ってしまうこと。すべてを吐き出した。
僕の話を聞き終えると、T先生は確信に満ちた顔でこう言った。「それは強迫性障害だね。良い薬があるから出しとくよ」

強迫性障害。それが僕の最初の病名。そんで、オランザピンという薬を出されることになった。オランザピンとはその後、長い付き合いになる。っていうか今でも飲んでる。オランザピンなう、である。
ま、とにもかくにも、僕の投薬治療が始まったのである。

T先生、良い人なんだ。人柄的にはね。でも、信頼できるかっていうと、ちと「むむむ」な感じ。
だってさ、2回目の通院の時、病名変わってたからね。「君は統合失調症だ」って(笑)。おいおい、病名変わっちゃったよ、みたいな。
ま、とはいえ、一度乗りかかった船。しばらくは通ったよ。

※※※

あれから12年が経ちました。17才の可愛い少年だった高橋くんは29才になり、加齢臭も出てきました。残念ながら、コカコーラことT先生とはお別れをし、今は別の病院に通っています。
精神病は治ってはいません。でも、病院巡りはなくなりました。その代わりと言っちゃあ何ですが、パニック障害という新しい友達ができたりなんかして。闘いはまだまだ続きそうです。歯を食いしばって、ケツにチカラを入れて生きのびないといけませんね。

思えば、僕の青春はいつも精神病と共にありました。
ま、しゃーないか。引きこもりと精神病って相性バツグンだもんね。二つで一つ。「マナカナ」みたいなもんか。「ザ・たっち」か。違うか。

ニート高橋、精神病カミングアウト編。今回で最終回にしようと思います。キリがないから。一旦締めます。
読んでくれたマニアックなアナタ、どうもありがとうでございました。
次回から、また違うことをうじうじ書いていこうと思いやーす♪